与謝野晶子 「あらし山…」和歌(雪模様短冊) 額装

与謝野晶子 「あらし山…」和歌(雪模様短冊) 額装

【作品について】

「あらし山名所の橋の初雪に七人(ななたり)わたる舞ごろもかな」

雪が舞い落ちる模様の短冊に合わせる(もしくは、この歌のために短冊が作られた?)ように詠まれた和歌が書かれています。

嵐山の名所の橋(渡月橋)に初雪が降り、その中を舞の衣装を身に着けた舞妓が七人渡っていく、色彩の乏しい冬景色のなかに七人の舞妓の華やか衣装が浮かび上がります。

与謝野晶子 第六歌集『夢之華』所収


【作者について】

与謝野晶子 1878―1942

歌人。明治11年12月7日、大阪府堺(さかい)市に菓子の老舗(しにせ)駿河屋(するがや)の三女として生まれる。旧姓は鳳(ほう)、本名志(し)よう。10代の初めから、店を手伝いながら古典、歴史書に親しみ、堺女学校卒業後、関西青年文学会の機関誌『よしあし草』などに詩や短歌を投稿。1900年(明治33)与謝野寛(ひろし)(与謝野鉄幹)によって前年に創立された新詩社の社友となり、『明星』に短歌を発表。同年8月大阪で講演した寛に会い大いに創作意欲を刺激されたが、翌年東京の寛のもとに出奔、処女歌集『みだれ髪』を刊行して文壇の注目を浴びた。「やは肌のあつき血汐(ちしほ)にふれも見でさびしからずや道を説く君」など、近代の恋愛の情熱を大胆な官能とともに歌い上げ、日本的な艶(えん)の美学と、西欧の近代詩に近い方法を包摂した浪漫(ろうまん)的一世界を開顕して、その華麗な作風は上田敏(うえだびん)に「詩壇革新の先駆」と評価された。

 寛と結婚後は『明星』の中心となって、小説、詩、評論、古典研究など多方面に活動をもつようになる。歌集はその後、『小扇(こおうぎ)』(1904)、『恋衣』(共著。1905)、『佐保姫(さおひめ)』(1909)、『青海波(せいがいは)』(1912)、『火の鳥』(1919)、『流星の道』(1924)、『心の遠景』(1928)と変化をたどりつつ、没後に編まれた『白桜集』(1942)まで二十数冊を数える。この間、その作風は初期の浪漫的美質を失わなかったが、しだいに内面的な翳(かげ)りや屈折を加え、沈静な自己観照や思索的な叙情を内包しつつ、しだいに人生的な詠嘆をもつようになる。晩年の作風は、「梟(ふくろふ)よ尾花の谷の月明に鳴きし昔を皆とりかへせ」(『白桜集』)にみられるように、寛の死を見送ってのちの哀傷感が深いが、そのなかにも一点、艶をたたえた叙情の表出に独自の境を開いている。

 評論活動も積極的で、『一隅より』(1911)、『激動の中を行く』(1919)、『人間礼拝』(1921)など十数冊に上り、その関心は広い社会的視野にたって婦人問題に注がれていた。女性に絶えず考える姿勢を求めつつ、その地位の向上への方途を説いたが、なかでも「母体の国家保護」をめぐる問題では平塚らいてうら婦人活動家と対立し、子供は一個の人格体としてとらえるべきだと主張するなど、自覚された母性の自恃(じじ)に基づいた確固たる女性思想を示していた。

 晶子の創作の原点には、少女時代から親しんだ古典の世界があったといえるが、新詩社の例会では『源氏物語』の講義を続け、2回にわたって現代語訳に意欲をみせているほか、『栄花物語(えいがものがたり)』『和泉式部日記(いずみしきぶにっき)』などの現代語訳や研究を残している。

 また、日露戦争従軍中の弟を思う長詩「君死にたまふことなかれ」(1904)は、その思想的主題をめぐる論争を巻き起こして反響をよんだが、晶子の詩作品は口語詩を含め『晶子詩篇全集(しへんぜんしゅう)』(1929)にまとめられた。なお、1921年(大正10)文化学院創立にあたっては初代学監に就任するなど、教育活動にも熱心で、文学を通して幅広い活動の軌跡を残している。昭和17年5月29日没。多磨霊園に葬られる。

短冊全体
短冊全体
落款
落款
雪が降る模様に金銀砂子
雪が降る模様に金銀砂子
額
名所の橋の初雪…舞ごろも
名所の橋の初雪…舞ごろも

スタッフのおすすめポイント

「あらし山名所の橋の初雪に七人(ななたり)わたる舞ごろもかな」

雪が舞い落ちる模様の短冊に合わせる(もしくは、この歌のために短冊が作られた?)ように詠まれた和歌が書かれています。

嵐山の名所の橋(渡月橋)に初雪が降り、その中を舞の衣装を身に着けた舞妓が七人渡っていく、色彩の乏しい冬景色のなかに七人の舞妓の華やか衣装が浮かび上がります。

与謝野晶子 第六歌集『夢之華』所収

*これは額を含めた商品です。

    • 与謝野晶子 「あらし山…」和歌(雪模様短冊) 額装
    • 与謝野晶子 「あらし山…」和歌(雪模様短冊) 額装
    • 与謝野晶子 「あらし山…」和歌(雪模様短冊) 額装
    • 与謝野晶子 「あらし山…」和歌(雪模様短冊) 額装
    • 与謝野晶子 「あらし山…」和歌(雪模様短冊) 額装

    与謝野晶子 「あらし山…」和歌(雪模様短冊) 額装

    作家名
    与謝野晶子
    画題
    あらし山・・・和歌 短冊 額装
    サイズ
    45.5 x 5.5
    その他
    短冊のみではなく、額を含めた商品です。
    金額
    45,000 / 商談中円
    購入をご希望の方は、上部の「お問い合わせ」よりご連絡ください。

    山添天香堂について

    京都で一番老舗の書画専門店です。
    創業107年分の知識と資料を誇っています。

    こんなお客様に来ていただいています。

    • 京都に観光に来られた方(外国の方も非常に多いです。)
    • ちょっと季節の飾るものが欲しいとおっしゃる方
    • 書画をコレクションされている日本人、外国人のお客様
    • 日本美術をご研究されている大学の研究者の方、外国の研究者の方
    • 国内、海外の美術館学芸員の方